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青は寒色。時間が過ぎるのが遅く感じられる色。

しかし、人の生の中で、青という時代が過ぎるのはあまりにも早すぎる。

『視点に囚われるな』

高く、もっと高く。見渡せば空も海もどこまでも続いている。

 --限りはあるが果てはない--

人生もまた然り。
恥も外聞もない晒し上げの記録、今ここに。
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逆風の果てに。
『人生の幕を下ろすにあたって少し自分の人生を振り返っておこうと思ったのでここに記す。私は明日、コンサートを控えている。観客としてではなく、一人の奏者としてである。思えば私が音楽の道に進んだのも友人に由来している。私は特に音楽が好きだった訳ではないし、無論楽器が好きだった訳でもない。そんな私が何故音楽にたずさわるようになったかと言えば先に挙げた友人に知り合ったからである。彼はハイスクールに上がると同時に知り合った友人である。私のよう地味な人間に進んで話しかける彼の押しの強い性格からも窺えるが、半ば強引に音楽の世界に引きずりこまれたのだ。それに加えて音楽のことを語る時の彼の瞳に引きずりこまれた。チェロに触れている時が一番幸せであると語る時の彼の瞳は輝きに満ちていた。だから私もチェロの奏者になりたいと思った。しかし、私は人数とじゃんけんの関係でテューバの奏者になった。それまで楽器に触れた事が無かった私に言う資格もないが、この楽器はあまり格好がよろしくない。加えてとても重い。だが、吹いてみるとなかなか面白い。主旋律がほとんどなく、伴奏が主であったがどんどん楽しくなっていった。
しかし楽しい事ばかりではない。朝から晩まで練習が続く毎日。夏場は倒れる者が続出した。時折体育祭などで文化部のはずの吹奏楽部が活躍をしている場面を見かけるのはこのあたりに理由があるのだろう。何人か辞める者もいた。けれども私は辞めなかった。卒業までテューバを手離すことはなかった。当時は自分でもよく続いたものだと思った。誘った自分が言うのもなんだが、と前置きして彼は私に何故卒業までクラブを辞めなかったかを尋ねた。その時に私は初めて気付いたのだ。辛さがあるからこそ楽しさが分かる。光がない場所に影は出来ないように影のない場所にも光はないのだ。そうだ、この気持ちがあったからこそ私はここまで来れたのだ。明日のコンサートも楽しもう。

追伸
この遺書まがいの手紙を読んだ人へ。
幾度もこういった物を書いてはそのまま放置しているので読むのが初めてではない人もいるかもしれない。目にタコが出来ると愚痴をこぼしてもいい。読まずに食べてもいい(腹は壊さないようにな)。しかし自分にとって大切な気持ちだけは忘れないでくれ。

テューバ演奏者より』



「……やっぱりアーティストは変な人が多いのかな」
手紙を折り畳みながらヨシハルは呟いた。ズボンのポケットに手紙を押し込み、部屋を見渡す。
「他には特にないか。」
確認を済ませ、ヨシハルは次の部屋の清掃に向かった。
| 逆・閑話休題 | 03:44 | comments(0) | - | pookmark |
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